数ある飲食業態の中でも、専門的な調理器具や設備を必要としないため、工夫次第で開店コストを下げることができるのが居酒屋です。今回はとあるケーススタディに沿って、居酒屋開店に伴うコストをご紹介します。
焼肉店開店に伴うコスト1「物件契約費用」
居酒屋に限らず、どのような店舗を開業(オープン)する上でも物件の契約費用はかかります。
一般的には契約する物件の一ヶ月あたりの賃料×4〜6くらいは考慮するべきです。
賃料の内訳例
▼条件
首都圏近郊私鉄沿線駅徒歩2分 約40㎡(12坪) 賃料20万円の場合
前家賃 1か月 | 200,000円 |
敷金 1か月 | 200,000円 |
礼金 2か月 | 400,000円 |
合計 | 800,000円 |
この他にもフリーレントとして一か月無料で物件を貸してくれる仕組みや、テナント内の場合は6か月ぶんの保証金などを事前に支払わなければいけないケースもあります。また、そもそも契約の際に重飲食が認められないケースもあります。その場合はこちらの記事を参照して粘り強く大家さんと交渉することも大切です。
【物件編】どうして大家さんは飲食店を嫌うの?その理由とは?
「物件契約費用」のまとめ
物件の契約時にかかる費用はおおよそ80万円程度になりました。ここは初期費用として最も削りにくいところでもあり、店舗運営を行っていく際にも毎月固定経費として計上される部分なのでシビアな目で納得のいく条件を追求することが重要です。
焼肉店開店に伴うコスト2「施工・工事費用」
この項目も居抜き物件などを活用しない限りは店舗オープン時に必ず必要になるコストですが、施工・工事費用に関してはある程度安上がりにすませることも可能です。居酒屋は特に専門的な設備が求められることが少ないので、居抜き物件などを中心に探すとこの項目のコストをそのまま削ることも可能なのが魅力の業態です。
施工費の内訳例
▼条件
約40㎡の物件に席数20席設けた焼肉店
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ダクト工事 | 3,00,000円〜1,000,000円 |
キッチン工事 | 1,500,000〜2,000,000円 |
内装工事 | 3,000,000円〜4,000,000円 |
厨房機器 | 1,000,000円 |
その他 ※什器・備品・仕入など | 1,000,000円 |
合計 | 6,800,000円〜9,000,000円 |
「施工・工事費用」のまとめ
内装施工から開店準備までにかかる費用はおおよそ680〜900万円程度になりました。以前にご紹介した焼肉店に比べてコストダウンできるのは、おおがかりなダクト工事が必要ないことや無煙ロースターなどの専門的な設備を必要としないためです。キッチンと席があれば始められる手軽さは、大きな魅力と言えます。どのような業態でも同じことが言えますが、間取りの簡略化や内装にかける素材の選定、皿や家具のコストに関しては店のコンセプトや客層によって変わるため、コストに変動があります。
居酒屋の内装工事費についてのまとめ
特別な設備を必要とせず、条件さえ合えば居抜き物件でも開業しやすい業態である居酒屋は、カフェなどと並んで人気のジャンルです。うまく物件を見つけたり、DIYを駆使すれば300万円以内での開業でも不可能ではありません。
しかし競合も多いことから、どこで差別化するかが非常に重要になります。メニュー・内装・サービスなど様々な要素がある中でどこに力を入れるか、具体的な経営方針が必要です。そういった方針が予めわかれば、お客様のイメージを共有していただき、物件の現地調査やオーナーからのヒアリングをすることにより無駄のない必要最低限の見積もりをお客様にご提案させていただいています。
居酒屋に限らず、飲食店のオープンをご検討中の方はお気軽にご相談ください。