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和風内装は「和」の本質を知ることが大切。

飲食店の店舗内装について最初にお話をうかがうと、よく「和テイストを入れたい」とか「和モダンにしたい」というご要望を耳にします。その多くがカフェやノンジャンルの食堂・居酒屋などで、「和風のメニューも出すから」というシンプルな理由が多いのですが、『和』の世界は奥が深いため、中途半端な導入はかえってマイナスイメージにつながりかねません。そこで今回、「和風内装」を正しく実現するためのノウハウやヒントをまとめてみました。新規店舗の開業時やリニューアルの機会などに、ぜひお役立てください。

日本人と「和」の世界

「和」の世界に感じること

畳に使われている「い草」の匂いが嫌いだという人はあまりいないと思いますが、畳の部屋で暮らす日本人は確実に少なくなっています。その一方で、国内の和風旅館に泊まれば、畳に大の字になってくつろぐことができる和室の良さを、日本人ならほとんどの人が感じるのではないかと思います。 「和」の世界に触れるときに私たちが感じるのは、この「くつろぎ」の他に、「なごみ」や「やすらぎ」、「いやし」などがあります。どうしてそう感じるのかはわかりませんが、そこには日本人としてのDNAに刻まれている「何か」かがあるのだと思います。

 

なぜ、「和」が落ち着くのか

最近、ミニ盆栽などをデスクトップに置いて育てている人も多いと思いますが、よく言われる日本文化の特徴に、「自然との調和」があります。私たちは古来から、衣・食・住そして遊までの全てにおいて、自然と関わり、四季を感じながら暮らしてきたことは事実です。そして、DNAに刻まれている「何か」のひとつに「自然との調和」があることは間違いありません。 「和テイスト」「和モダン」など、店舗内装になにかしらの「和」を取り入れようとするときには、まずこのDNAを忘れないようにしたいものです。海外の人向けの店舗なら、派手な浮世絵や金ピカの仏像を置くのも良いでしょうが、主なターゲットが日本人であるお店なら、日本人の琴線に触れるような「和風内装」を目指してください。

和風の本流

本物を知ることの大切さ

少し古い欧米のアクション映画などに登場する日本家屋に、強い“違和感”を覚えた人は多いと思います。例えば、座敷自体はシックな書院風なのに、両側の襖には派手な歌舞伎絵が描かれている、といった設えが平気で出てきたりします。これは通常の日本人にはありえない感覚なのですが、なぜそういった奇態が生まれるかと言いますと、「和の世界観」を底辺から支えている一定のルールが理解されていないからです。「本物を知ること」の大切さは、ここからもおわかりになると思います。

 

日本型店舗の歴史1

では、和風内装の「本物」とは何でしょうか?それを探るために、ここからは少し歴史をさかのぼることにします。 日本型店舗の原型のひとつに「京町屋(きょうまちや)」があります。ご存知のように京都で発展し根づいた店と住宅一体型の建物で、そのはじまりは平安時代だと言われています。よく「うなぎの寝床」などと称されるように、狭い間口を入ったところに店があり、そこから奥へ土間を伝っていくと住居部分になるという構造です。入口(門口)には屋号を染め抜いた暖簾(のれん)がかけられ、その左右には格子が並び、その前の床机(縁台)に商品を並べて見せたところから「見世=店」という名称が生まれたと言われています。

 

日本型店舗の歴史2

同じ「京町屋」でも、大店(おおだな)になると店舗部分は2階作りになっていたり、小さな中庭(坪庭)があったりと、客を“おもてなし”をするための工夫がされています。特に坪庭は、花木で移ろいゆく季節を感じるという見た目の癒しだけでなく、薄暗くジメジメしがちな建物内部に光や風を取り込むというドライエリア的機能もあり、現在でも活用されているアイデアのひとつです。また、自然との調和を大切にする日本文化の特徴を表す要素となっています。

 

日本型店舗の歴史3

店舗というものを「接客の場」としてとらえた場合、忘れてはならない様式が2つあります。そのひとつが「書院造(しょいんづくり)」です。もとは武家住宅における接客室が原型と言われるその様式は、家屋の一番良い場所にある座敷に、床(とこ)、違い棚、付書院(つけしょいん)、帳台構(ちょうだいがまえ)などを設えたもので、格式を重んじて定式化されたと言われています。座敷での宴会などの際に、床の間の位置によって、上座(かみざ)・下座(しもざ)と座る位置を気にすることがありますが、これも床の間との位置関係で身分序列を決めていた書院造の伝統にもとづいているとのことです。

 

日本型店舗の歴史4

一方、定式にとらわれることなく、装飾的な要素をそぎ落としたもうひとつの様式に「数寄屋造(すきやづくり)」があります。「数寄(数奇)」とは和歌や茶の湯、生け花など風流な芸事のことで、それらを嗜む場所を「数寄屋」といい、有名な千利休が客人をもてなすために“侘び”という概念をもって創りあげた「茶室」(草庵茶室)がその代表例です。3~4畳ほどの小さな座敷に炉が切られ、床に飾られた生け花と書画(掛け軸)以外は、一切の装飾を廃した質素な空間づくりが特徴となっています。 利休がこういった茶室を作ったのは、黄金の茶室を作るなど何につけても華美なことを好む豊臣秀吉への反抗心からとも言われていますが、それよりも客人を“おもてなし”するため、究極のカタチを追求したのだろうと考えた方がよいような気がします。

「和」を表現するポイント

日本人は、四季の移ろいの中に「美」を感じ、古来より暮らしの中に多彩な色合いを取り入れ、繊細な色の世界を作り上げてきました。一例をあげれば、茜色(あかねいろ)、薄浅黄(うすあさぎ)、銀鼠(ぎんねずみ)、茄子紺(なすこん)、桧皮色(ひわだいろ)などなど…。その数は、数百色にも及ぶと言われていますが、どれも不思議なことに日本人なら思わず納得してしまう色ばかりです。もちろん、店舗内装用の塗料やクロス素材などにおいてそれらがすべて再現されているわけではありませんが、近い色を選んで組み合わせることで、伝統的な「和色」の世界観を表現することは可能です。まずはどんな色があるのかを知ることから始めると良いと思います。 ただ、ひとつ注意をしたいのは「和色」といっても、淡い中間色や渋い色合いだけではないということです。「シックな内装にしたいから」ということで中間色ばかりを選ぶと、全体がぼんやりしてしまいます。そういう時は1色か2色ビビッドな刺し色を選んで使うことをオススメします。店内に活気を呼び込む、アクセントとしての効果が生まれるはずです。

 

素材1

先に記したように、自然との調和を大切にしてきた日本建築の素材として、まず挙げられるのは木材です。奈良の法隆寺は、現存する世界最古の木造建築として有名ですが、森林の多い日本ではこのように古くから木による建物づくりを中心としてきました。主な用材としては、杉・松・桧などの針葉樹林をメインに、欅(けやき)・桜・楢(なら)などの広葉樹林がサイドを固めてきました。 他に、内装の素材としては、床板の上に畳を敷き、壁は土壁を用いてきました。内装で使われる土壁で有名なものに「聚楽壁(じゅらくかべ)」(注*)があります。和風旅館の客室の壁と言えば以前はほとんどこれでしたが、今はクロスもあるということで手軽に導入できます。ただ、モノによっては触っただけで砂がぽろぽろ落ちますので、飲食店などでの使用は注意が必要です。 *「聚楽壁」とは、豊臣秀吉がつくった京都西陣の聚楽第跡地付近から産出される、良質な本聚楽土を使う伝統的な仕上げ用の土壁を由来としています。

 

素材2

和風を表現する素材としてもう一つ欠かせないのが「紙(和紙)」です。明治時代、初めて日本に来た欧米人が日本の家屋を見て「木と紙で作られている!」と驚いたという話がありますが、まさにその通りで障子や襖などの「紙」は重要な要素です。特に和紙は、それ自体がやさしく暖かみのある風合いが特徴ですので、いろいろな使い方ができる素材です。壁紙や障子などで使う方法ももちろんありますが、和紙を上手く使った照明器具も数多くありますので、それらを導入することもオススメします。 もうひとつ、和のやさしさを表現できる素材に「布」があります。ひと口に布といっても様々なものがありますが、古着の着物などが安価に手に入るのでしたら、そういったものを内装に使うのも面白いと思います。

 

建具

こちらはやはり木の良さを生かした格子戸、障子などがその代表的なものです。「歴史」のところで言及した「書院造」では、障子(書院障子)などを上手く使って、外の光を柔らかく取り入れる工夫などがされていました。和モダンの世界では、紙の代わりに磨りガラスなどを組み合わせると、明治~大正~昭和初期の古風な雰囲気を醸し出すことが可能です。ちなみに、明治以降の「和」の世界ではガラスも重要な素材で、レトロ感を表現するためにわざと歪みのあるガラスを使ったり、アールデコ風(注*)のガラス素材を使うのも良いと思います。 *「アールデコ」とは、19世紀末にヨーロッパを中心として流行した優雅な「アールヌーヴォー」に対して、20世紀初頭に台頭した直線的なデザインを特徴とする装飾様式。有名な建物のひとつに、ニューヨークのエンパイヤ―ステートビルディングがあります。

 

小物

「書院造」における「違い棚」などは、比較的簡単に和のイメージを表現できるアイテムです。本格的なものでなくても、高低差をつけた2枚の棚板(できれば紫檀など渋めの板が望ましい)を壁に取り付けて、その上にミニ盆栽などを置けば、グッと和風感が増します。一方、古風な「掛け軸」を床の間でない普通の壁に直接掛けているケースをたまに目にしますが、これはルール違反で、見る人が見れば違和感を覚えます。それをするのでしたら、お気に入りの柄の手拭いを額装して、なにげなく壁に飾った方がオシャレになります。 ちなみにこういったオシャレな和風小物を扱う店は、最近では「谷根千」(谷中・根津・千駄木の略)と呼ばれる東京の下町に多く見られるようになりました。自ら足を運んで、気に入ったものを選んで飾るのもよいと思います。

店舗内装工事.com からメッセージ

さて、いよいよ内装のプランに入ります。まずは、自身の「こだわり」を店の中でどうやって表現したらよいか考えてみましょう。例えば、カウンターがメインで日本酒の品揃えが自慢の店にしたいならば、カウンターの後に冷ケースをドーンと並べて、お客さんの好みの日本酒を取り出して飲ませる…、また、様々な豚の部位を食べることができる焼トン中心の店をつくりたいのならば、豚1頭の部位を描いたイラストを壁面に大きく掲げる…などといったアイデアを出すことです。 そういったアイデアがある程度出たら、つぎにデザイナーにアイデアを伝え、同時にもっと抽象的なイメージ―例えば、レトロモダンな雰囲気にしたい、暖かみのある明るい店にしたい、漁場の番小屋をイメージした店にしたいなど―があるようでしたらそれも伝えます。 また、「いくつかアイデアはあるのだけれど、どうしたらよいかわからない」という場合には、とにかく一度その全てをデザイナーにぶつけてみるのも良いと思います。デザインをする側としては、それらのアイデアを話し合いながら吟味していく方が進めやすいですし、少し時間はかかっても、そういったやり取りによって心から納得できる内装デザインが完成する場合が多いからです。

和風店舗内装 施工事例

LEAPでは、過去にいくつかの和風内装を手がけてきましたが、その一例をご紹介します。
こちらは、神楽坂にできた和風創作ダイニングです。

 

和風創作料理を提供するお店ということで、オーナー様からは「落ち着いて食事ができるが、敷居が高くなりすぎず、明るい空間に」との希望をいただき、LEAPがデザイン施工を行いました。 スペースとしては『カウンター席』『テーブル席』『個室』の3つ異なった空間があり、それぞれが別の役割を持って全体を構成するように考えてあります。 まずカウンター席はキッチンを眺めながら落ち着いて料理やお酒を楽しめるよう、座り心地のよいハイチェアを配しました。そしてカウンターは、器が映える渋いこげ茶色を基調とすることで、同時に空間全体を引き締める役割を担っています。 テーブル席は、オープンな場所として、カウンター席と個室の中間に位置しています。カップルなどで気軽に利用できるよう明るめの色の家具を配しています。 そして個室は、小宴会や接待で、また家族などがくつろいで利用されることを念頭に置いた空間としています。ただし、他のスペースと完全に隔離された形にはせず、建具に伝統的な格子を使うことで、外との自然なつながりを保つようにしてあります。また、こうすることで個室内の圧迫感をなくすとともに、店スタッフからはお客様の料理の進み具合を見ることもできるという利点が生まれてきます。 またデザイン的には、全体に木を使うことによって、ぬくもりとくつろぎ感を大切にしていますが、壁などの一部に鮮やかな朱色(和の赤)を使うことによって、明るく活気のある店内となるように演出しています。

店舗内装工事.com担当者よりひとこと

今回は、格子がポイントとなっているデザインですが、日本の伝統的な素材の中には、工夫次第で使えるものがたくさんあります。和風の内装を考えている皆さん、お互いに意見を出し合い、知恵を絞りあって、これまでにない素敵なお店を作りましょう。

店舗の内装計画は、飲食店、美容サロン・エステ、物販店、その他、業種によって異なるだけでなく、店舗の立地や諸条件、つくりあげたい雰囲気、呼びたいお客様の層などによって、店舗ごとに大きく異なります。一つひとつのケースに沿って、ご提案させていただきます。

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