- April 09, 2018
- Store’s StoryTalk
■ひとつ目のポイントは、未公開の情報にどうやってアクセスするか
秋元さんとは業界の交流会で初めてお会いし、その後は一緒に内装関係のお仕事もさせていただいています。
今日は、あたらしいお店を開く上で欠かすことができない物件探しについて、不動産屋さんの活用方法なども含めて、色々なノウハウをお聞きしてみたいと思います。
まずは、自己紹介をお願いします。
相澤
秋元
弊社は、杉並区と中野区を中心に60年の歴史がある会社で、不動産管理・仲介の他にリフォームなどの工事も受けています。
相澤さんと知り合ったのは、交流会の担当者から紹介してもらったのがキッカケで、会社の場所が近いということもあって、情報交換をしながらお互いの仕事につなげていきましょうということになったんです。
店舗内装のお話をいただくのは、お客さんが物件を決めてから相談に来られるケースもあるんですね。でも、本当はその前の段階、つまり物件を探そうと動き出す段階からお話をいただいた方が、理想に近いお店が作れるケースが多いんですね。ですから、秋元さんとも話をして、お互いに協力していきましょうということになったというわけです。
相澤
秋元
店舗ももちろんそうですが、不動産物件の情報はネットでオープンになっているので、誰もが見られてアプローチできるのが現状です。ただ、飛び込みで入った不動産屋さんの場合では、条件が言われるままになったり、オーナーさん・貸主さんとの交渉が思うようにいかなかったりすることがある…
話を進めていったら、最後のところでオーナーさんが首を縦に振らなかったということもありますからね。
相澤
秋元
そうなんです。店舗の場合は、成約した後から問題が出る場合も多いので、そこのところは弊社が借りるつもりで交渉することで、よりスムーズな契約に結び付けていきます。
それから店舗の情報の場合、ネットに出る前に知り合い関係の中で成約してしまうということも結構あるんですね。ですから、弊社では取り引きのあるオーナーさんからの未公開情報などをなるべく多く抱えて、提供できるようにしています。
入口は不動産会社でも弊社のような内装会社でもどちらでもいいのですが、なるべく条件の良い物件情報を持っている、未公開情報を持っているところに相談するということが、成功する店舗物件探しの第一歩ということですね。
相澤
秋元
そうですね。未公開情報を含めて、どれだけ情報を多く持っているところかが、カギとなりますね。不動産会社しかアクセスできないネットの情報サイトもあるんですが、弊社の場合はまず、取り引きのあるオーナーさんの物件から探し始めます。その理由は、前にも言ったように、オーナーさんの顔が見えていることでしっかりとした交渉ができるということです。
■開業予算と店舗物件のマッチングが、2つ目のポイント
これから物件探しをするというお客さんの場合、弊社ではまず予算をお聞きします。融資を受ける場合でも、かならず枠があるわけですので、お客さんが「やりたいことが本当にできる予算なのか」を確認し、「やりたいことができる物件なのか」ということをマッチさせるのです。
相澤
秋元
特に飲食店の場合、「やりたいことができない物件」というのも現実としてありますからね。
そこが意外と見落とされがちなんですね。例えば、上に共同住宅がある建物で焼肉屋さんをやろうとすると、排煙をどこから出すのかという問題が出てきます。適当なところから出せば当然苦情につながる可能性があるわけで、屋上までダクトを持っていかなければならないとしたら足場を組んでの工事が必要になるんです。ところが、最初からその費用まで見込んでいればいいのですが、それが無理ならその物件はあきらめなければならない…という状況になるわけです。
相澤
秋元
自己資金がどのくらいあって、融資がどのくらい受けられそうなのか、最初に教えてもらえると良いですよね。
予算もそうですが、もうひとつは、ガスや水道・電気などの設備的な部分で容量が足りるのかどうかを検証する必要があります。
弊社の場合、お店の業種をお聞きして、例えば「居酒屋ならこのくらいは必要です」といったスペック表を参考例として出す場合があります。どれだけの設備や容量が必要なのか、お客さんにまず理解してもらって、そこから候補物件を絞ってもらうということです。
相澤
秋元
仲介をする側としても、そのスペック表を見て、条件がクリアできる物件かどうかをまずチェックするということですね。
立地や広さがOKだとしても設備的にどうなのか、そのあたりを事前に検証できればムダのない物件探しができるはずで、お客さんにとってもメリットが大きいわけです。
相澤
秋元
飲食店の場合は特に要注意ですね。それ以外で注意した方がいいのは、理美容系のサロンとかでしょうか。排水とかが絡んできますから。
■3つ目のポイントは、豊富な経験とノウハウを持つところに相談すること
ネットでよく「坪いくらで内装工事をやります」というのを見かけますが、実際の物件状況によって工事費はかなり変わってくるわけです。こちらからはスペック表を用意する一方で、お客さんからはざっくばらんに要望を出してもらった方が良いですね。
相澤
秋元
弊社側としても、そういったスペック表を元にしてオーナーさんと交渉ができるので、やりやすいですね。オーナーさんや大家さんは年配の方も多いですし、色々な方がいらっしゃいますから。
秋元さんの方でオーナーさんのそういった特徴を把握していれば、「この場合は、こういった進め方にした方が良いね」など、事前に情報共有もできますからね。
相澤
秋元
「飲食店にするなら家賃を上げる」というオーナーさんもいますし、「お金の問題じゃない」という方もいますから、本当に色々です。仲介する会社や担当者によっても変わってきますし…
居抜きとスケルトンによっても違いますね。
相澤
秋元
仲介担当者の交渉力次第というところはありますね。
最初からはなかなか考えにくいですが、退去条件などもキチンとしておく必要はありますし、居抜きで内装工事を入れたときでも、交渉次第ではオーナーさんに工事費を何割か持ってもらえる、という場合もありますから。
スケルトンの場合はまだしも、飲食店の居抜きでは、使い物にならない店舗もなかにはあります。特にウェットキッチンの防水などは、かなり劣化してしまっているというケースもあって…
相澤
秋元
居抜きを借りたいお客さんの場合、初期費用を抑えたいと考えているわけですが、逆に想定していないお金がかかってしまうことがある。ですから、そういうことを防ぐためにも、内装工事会社との現地調査も重要になってくるわけです。
やっぱり、事前にどこまで教えていただけるかという情報は大事だということですね。事業計画を作った段階でお話をいただくとか…。
相澤
秋元
融資を受ける場合でも、どこまで降りそうなのか、ある程度はわかるので、そのあたりも事前に相談してもらえると良いですね。
「トータルでご相談を承りますので、物件を探そうと動き出す前に、まずはご連絡ください!」ということですね。
相澤
[対談パートナー]
株式会社正和不動産 代表取締役 秋元 寛
URL:http://www.seiwa-tn.com/
店舗の内装計画は、飲食店、美容サロン・エステ、物販店、その他、業種によって異なるだけでなく、店舗の立地や諸条件、つくりあげたい雰囲気、呼びたいお客様の層などによって、店舗ごとに大きく異なります。一つひとつのケースに沿って、ご提案させていただきます。