お客様に好かれるお店づくり

「ターゲットを設定する」

ターゲットとは、お店に来てもらいたいお客様のこと

ターゲットはどこにいる?前回、「商圏」を考えるときには、ターゲットとセットにする必要(コインの表裏の関係)があるとお話ししました。繰り返しますが、ターゲットとは「標的」を意味する英語で、マーケティングの世界ではひと言でいうと「お客さんになって欲しい人々」のことです。

チェーンではない飲食店を新しく出店する場合、最初にオーナーがこだわるのは「メニュー」と「業態」だと思います。「美味しいコーヒーが飲めて、テイクアウトもできるカジュアルなカフェにしよう」とか、「地元の野菜を使ったヘルシーメニュー中心で、ファミリーでも使ってもらえるレストランにしよう」といった感じです。
そして次に、「こんなお客さんに来てほしい」すなわち「ターゲット」を考えて決め、その後でターゲットがいそうな場所(=商圏)を探すことになると思います。

もし、先に店舗の場所を決めてしまったとしたら、決めたターゲットがその「商圏」に居るのかどうか、当然調査する必要があります。(本来は、先に調査してから場所を決めるのが筋ですが)
「なんとなく、いそうだから」ではダメで、あとで後悔しないために、後述するような最低限のことだけでもキチンと調査しなければなりません。
そして万が一「考えていたターゲットが商圏内にいない」ということになったら、出店場所を見直すか、ターゲットを考え直すか、最悪の場合は「メニュー」や「業態」まで戻るか、などの対策を講じる必要が出てきます。

ただ、ターゲットは、一度決めたら「何が何でもその人たちに来てもらえるようにする!」というように、固定的に考える必要はありません。
近隣の住宅街に住むリッチな中高年をターゲットにした本格フレンチのレストランでも、昼はヤングママさんたちをターゲットにしたランチ営業をしても良いですし、パーティ用のケータリングサービスもおこなうのでしたら、もっと広い商圏のリッチ層や企業などをターゲットにすることができます。
柔軟な考え方ができるかどうかも、ターゲット設定のポイントなのです。

どんなお客様に来ていただきたいのか、広げてから絞り込む

ペルソナ分析ターゲットを設定する場合、まずは自由に「妄想」してみるという手があります。
例えば、カウンターが中心の「創作和食」店を開業するケースで、一番来てもらいたいのは「30~40代で“食”に一定のこだわりを持ったカップル」だとします。
カップルの2人は「夫婦」としたら、共働きでしょうか?「夕食はできるだけ家で」と思ってはいますが、帰宅時間がマチマチなので、少し遅い時間に待ち合わせて外食することもあります。2人とも朝が苦手なため朝食はごく軽め、そのぶん昼はガッツリ食べてしまう傾向があるため、夜はできるだけ野菜などがとれるバランスを考えた食事にしたいと思っている…などなど。

こういった「妄想」は、もちろん遊びでするわけではありません。「妄想」しながら、ターゲットになってほしい人の人物像を描き出していくのです。
先のカップルは、家族構成はどうでしょうか? 子供はいないか、いたとしても忙しい時に面倒を見てくれるどちらかの親が近くにいる感じでしょうか。そして、共働きである程度の収入はあるので、ローンで購入した新しいマンションに住んでいます。趣味は、アウトドアでスポーツやキャンプをすることで、近くには趣味を一緒に楽しむ友人もいて、彼らといまブームになっているのは燻製づくりで…

このように、ターゲットにしたい人物像をある程度詳しく設定していく方法を、マーケティングの世界では「ペルソナ分析」といいます。架空ではあるのですが、理想的なターゲット像を設定してみて、彼・彼女らにあった商品やサービスを用意したり、広告を展開したり、販売方法を決めたりすることなどを目的として行います。
「ペルソナ」とは「人格」のことですが、「仮面」という意味もあります。麻雀ではありませんが、「仮」の「面子(メンツ)=顔ぶれ」とすれば覚えやすいかもしれません。

そして理想となるターゲット像(=ペルソナ)が決まったら、彼・彼女たちに来てもらえるような「お店づくり」をしていくことになりますが、そちらについては次回から詳しくお話ししていきたいと思います。
それから、この「ペルソナ分析」によって設定した理想のターゲットは、もちろん現実には存在しないわけですので、実際には彼・彼女らの属性や行動パターンに幅を持たせ、柔軟に考えることが必要になります。「妄想」と「現実」にはギャップがあるということは理解しておいてください。

ターゲットに順位をつけてみる

理想のターゲットとは「一番来てもらいたい人」のことですが、そういった人たちだけにこだわっていたら、お店の経営はたぶん成り立っていかないはずです。
先の創作和食店の場合は、もっと年齢の高い人々や、逆に若い人でも同じような指向を持った人、一人でゆっくり食事を楽しみたい人や、仕事の接待で使いたいという人まで広げるといった「現実」に対応する必要が出てきます。

ただ、そういった人たち全部を同等に対応したとすると、どうなるでしょうか?きっと、なんでもありの、「?」なお店になってしまうと思います。
ですから、「来てもらいたい人」に幅を持たせ順位をつけるということも大切です。理想のターゲットは、メイン・ターゲットとして最上位にランクし、その他は、サブ・ターゲットとして、サブ1・サブ2・サブ3…といったように分類します。そして可能であれば、ターゲット・ランク別に月ごとの売上傾向を記録し、「売上につながるターゲット」「利益につながるターゲット」「今後の伸びが期待できるターゲット」などの分析を加えてみるのも効果的だと思います。

ターゲット

また、先にも少し話しましたが、商品やサービスによってターゲットを変えるという手もあります。本格フレンチの場合、ディナーは近所に住む中高年夫婦、ランチは子育て世代ママさん、そしてフランスパンで作ったラスクを店頭で売れば、部活帰りの女子高生までもターゲットになるということです。

最後に、ターゲットに設定した人が「商圏」にどれだけいるのかを簡単に調査する方法をお教えしましょう。
市や区などの自治体では、各々居住人口や世帯数についての統計資料を発表しています。大抵の自治体では、ホームページからエクセル等のデータがダウンロードできるようになっていますので、それらを活用するのです。決めた「商圏」の中にどんな町丁(〇○町〇丁目といった区分)があるかを地図で調べ、該当する町丁の人口データから、ターゲットにふさわしい世代や世帯構成(子供の数までわかるケースも多い)の数字を抽出します。また、会社などが多いオフィス街の場合は、従業者規模ごとの事業所数なども発表されていますので、それらを活用して「商圏」内の傾向を把握しましょう。

売れるお店の秘訣とは、「ああしたい」「こうしたい」と妄想する=想像力を働かせるとともに、データや数字を集めて冷静に判断するという取り組みの両方が必要なのです。


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